一目見たら忘れられない、その幾何学的な形状が非常にユニークなのが『ロマネスコ』。よく見ると小さな花蕾の1つ1つが同じ形をしており、その集合体が大きな花蕾となっているという何とも不思議な野菜です。
『ロマネスコ』とはイタリア語の呼び名(“ローマの”という意)に由来する、カリフラワーの一種です。今回訪れた埼玉県本庄市はカリフラワーの栽培も盛んな地域で、2000年代前半から取り組む生産者が増えたようです。
JA埼玉ひびきの本庄営農経済センターの青木係長に話を伺うと「2014(平成26)年は25名程度の生産者によって栽培面積478a、出荷量約96tの実績でした。栽培形態は7月上旬には種した後、8月上旬にほ場へ定植します。収穫は11月上旬から2月頃まで続きますが、クリスマスツリーに似た形状から12月に需要が増えるので、出荷のピークをその時期に合わせられるよう調整しています」。
主な病害虫はとの問いに、埼玉県本庄農林振興センターの西村担当課長と石田技師は「虫害はコナガ、アオムシ、ハスモンヨトウなどのチョウ目害虫です。病害に関しては、台風が多い年は、黒腐病などが発生しやすくなります。ロマネスコはカリフラワーに登録のある農薬が使用出来るので、適期防除を心がけます」とのこと。
栽培に関しても苦労が多いようで「その形状から重ねづらく、花蕾が傷つくと商品価値も下がるので取扱いが非常に大変です。また気温が下がってくると肥大しにくくなるので、栽培管理においても注意が必要です」と青木係長は説明してくださいました。
「当地は利根川の恵みを受けた肥沃な土壌で、冬場の晴天率が高く雪も少なく、赤城おろしの強風が吹きます。年明けに露地栽培できる土地の利を活かして、これからも面積を増やしていきたいですね」と3者一致した見解です。目指すところが一緒とは、今後の飛躍を期待せずにいられません。