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愛媛県の「甘平(かんぺい)」

愛媛県の「甘平(かんぺい)」

四国の北西に位置し、穏やかな気候が特長の愛媛県。かんきつ栽培が盛んな県で、温州みかんと中晩柑類を合わせたかんきつ類の収穫量は全国1位を誇ります。県全体でのかんきつ類の栽培品目数は40を超え、『かんきつ王国』の名にふさわしい環境です。特筆すべきは、果樹研究センターみかん研究所というかんきつ類に特化した県の研究施設があり、新品種の育成に力を注いでいます。

今回は愛媛県で育成された2番目に新しいかんきつの品種『甘平』について伺うため、爽やかな日差しに包まれた4月某日に同所を訪れました。対応いただいた菊地主任研究員に話を伺うと、「甘平は2007(平成19)年に登録された『西之香』と『ポンカン』の交配で誕生した県オリジナル品種で、栽培は県内に限られています。収穫期は1月下旬から2月上旬で、独特の食感と扁平な果実が特長です。2014(平成26)年産の生産量は、1,500tを超え着実に広がっています」とのこと。

ただし栽培には苦労も多いようで、「8月下旬から10月上旬にかけて裂果が多発します。若木に発生が多く、開花期から9月中旬までの水管理が特に重要です。また隔年結果性が強く、毎年安定して収穫するために10aあたり3tの収量目標を推奨しています」。

主な病害虫はとの問いに、「病害はかいよう病が問題で、年3回以上の薬剤防除が必要です。虫害に関しては、エカキムシ(ミカンハモグリバエ)の食害痕がかいよう病の感染源となるので、適正防除に努めています」と菊地主任研究員は説明してくださいました。

愛媛県は、積極的にブランド化を推進し、糖度13度以上、酸度1.2%未満をクリアした果実の中から、外観が秀でたものを『愛媛Queenスプラッシュ』と名付けて販売し、首都圏のデパートでも高級かんきつとして注目を浴びています。今後も安定生産を続け、2020(平成32)年度の生産量3,000tという目標達成に向けて、みかん研究所の挑戦はまだまだ続きます。

(2016年5月掲載)

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