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福島県田村地域の「エゴマ」

福島県田村地域の「エゴマ」

その名前からゴマの仲間と思われがちですが、『エゴマ』はシソ科の一年草。「じゅうねん」という名称の方がピンとくる方もいることでしょう。種子には一般的な植物油よりもα-リノレン酸(*必須脂肪酸)を多く含み、「エゴマ油は体に良い」と健康志向の昨今、話題になりつつあります。

原産地はインドや中国の高地といわれており、国内でも東北地方や中部・関東の冷涼な地域が栽培に適しているようです。福島県は全国一の耕作面積(約22ha、平成14年)をほこり、そのうちの5割は今回訪問した田村地域で生産されています。多くは油用としての栽培ですが、クッキーやパイにアイスクリーム、はたまた焼酎の原料にまでと様々な形でその味を楽しむことが出来ます。

同地域の栽培体系としては、苗床へのは種が5月下旬ごろ。ほ場への定植は7月上旬で収穫の時期は9月末~10月上旬といったもの。収穫時には高さ150~60cmにまで生長するそうですが、病害虫の発生も多くなく省力管理での栽培が可能だそうです。

県中農林事務所田村普及所の伊藤主査に話を伺うと、「10年程前から生産が盛んになってきました。標高が350~400mと気候的に適していることもありますが、この地域の畑地は水はけが良く、湿潤を嫌うエゴマの栽培に適しているのも大きな要因でしょう。また稲作や葉たばこといった、それまで生産してきた作物と作業時期が重ならないことも取組みのきっかけになっているようです」とのこと。

今後の方向性としては「半自動定植機の開発も手がけ、さらなる省力化を目指しています。また栄養成分の高さから『地域の健康』向上の意味でも、取り組まれる方が増えています。生産量が増えれば需要も確実に増えると思っています。いずれは全国各地でエゴマ油や加工品が食べてもらえるようになることを願い、地域の普及に取り組んでいきたいですね」と語ってくださいました。

(2007年5月掲載)

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