太陽光発電施設に発生したビロードモウズイカ(7月)

ソーラーパネル周辺の雑草管理 ~ビロードモウズイカの防除・駆除事例~

2025.03.18

太陽光発電(たいようこうはつでん)は、太陽光を太陽電池で電力に変換する発電方式です。クリーンエネルギーとして注目され、家庭向けから遊休地を利用した大規模なものまでと幅広く利用されています。
これら太陽光発電施設では雑草の発生が大きな問題となることがあります。施設内の雑草がソーラーパネルを覆ってしまうと、発電量を下げる原因となってしまうため、刈り込みや防草シートなどで雑草を防除(駆除)する必要があるのですが、労力がかかることもあり、より簡便な管理方法が求められます。
外来雑草である「ビロードモウズイカ」は人間の背丈以上になることもあり、ソーラーパネルにあたる日光を遮り、つる性の植物などとともに問題になる場面がみられます。
今回は、この「ビロードモウズイカ」を簡便に管理する方法をご紹介します。

ビロードモウズイカとは?

ヨーロッパ原産のゴマノハグサ科の二年草雑草。
全体的に灰白色の毛を密生させます。高さ0.9~2.5mと大きくなります。
日当たりの良い砂質土壌を好み、路傍(一般道、高速道等)、空地、荒地に多く見られます。また、種子の生成量も多く、繁殖力が旺盛な外来生物(植物)です。

参考文献:[国立環境研究所]侵入生物データベース「ビロードモウズイカ」

太陽光発電施設に発生したビロードモウズイカ(7月)
太陽光発電施設に発生したビロードモウズイカ(7月)

防除について

防除を行わなければ、旺盛な繁殖力で毎年生息範囲を広げてしまいます。
草刈りや発生後の除草剤散布でも対応できますが、草刈りには大変な労力が必要となり、草刈りほどではありませんが、発生するたびに除草剤で枯らすのも、何度も散布をしなければならず手間がかかります。
弊社では除草剤の一つである土壌処理剤(雑草の発生を抑える除草剤)による防除を提案します。

効果確認試験

土壌処理剤・3薬剤による防除効果を確認しました。

  • 薬剤1:ハイバーX顆粒水和剤(使用薬量 1.0g/㎡)
  • 薬剤2:カーメックス顆粒水和剤(使用薬量 1.0g/㎡)
  • 薬剤3:ゾーバー(使用薬量 0.3g/㎡)

200ml/㎡の水に希釈して散布(全区とも)
試験地:長野県

散布時の様子(2024年3月19日撮影)

散布時の様子(2024年3月19日撮影)①
散布時の様子(2024年3月19日撮影)②

約4か月後の様子(2024年7月9日撮影)

約4か月後の様子(2024年7月9日撮影)①
約4か月後の様子(2024年7月9日撮影)②
どの区も少し雑草の発生が見られるが、無処理区と比較すると、十分な抑制効果を示している。

約7か月後の様子(2024年10月16日撮影)

約7か月後の様子(2024年10月16日撮影)①
約7か月後の様子(2024年10月16日撮影)②
どの区も少し雑草の発生が見られるが、無処理区と比較すると、十分な抑制効果を示している。
雑草の生育期間(約7か月)雑草発生を抑制し、雑草による被害を防止している。

まとめ

春先の土壌処理除草剤処理により、長期間にわたってビロードモウズイカの発生が抑えられ、雑草管理にかかる労力の軽減が可能となりました。

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