サーベルDFを用いた国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)登録工法とは

2023.03.29

丸和バイオケミカルの緑地管理用除草剤「サーベルDF」は大型の広葉多年生雑草に安定した効果を示すことから、広葉雑草の総合防除剤として使用されています。またクズや雑灌木にも安定した効果を示します。今回サーベルDFを用いた防除工法が国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)に登録されましたので、その内容をご紹介します。

※NETISとは
国土交通省が新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として整備したデータベースシステム
https://www.netis.mlit.go.jp/NETIS

国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)への登録内容

技術名称 サーベルDFを用いたイタチハギ、クズ、ニセアカシア、ギンネム等への防除工法
NETIS登録番号 KT-220183-A
登録年月日 2023/01/23 (R05/01/23)
アブストラクト(概要)
本技術はサーベルDFの動力噴霧器での散布によりイタチハギ、クズ、ニセアカシア、ギンネム等を防除する工法で、従来は肩掛け式エンジン刈払機除草で対応していた。本技術の活用により、作業人数や時間が減り、飛び石等を回避出来るので経済性、施工性、安全性の向上が図れる。

散布の様子(ニセアカシア) 飛散低減のためドリフトレスノズルを使用したサーベルDF散布の様子 ※飛散低減のためドリフトレスノズルを使用しています。

登録された工法について

① 何について何をする技術なのか?

  • サーベルDFの動力噴霧器での散布によりイタチハギ、クズ、ニセアカシア、ギンネムなどのマメ科雑草及び雑灌木を防除する工法です。

② 従来はどのような技術で対応していたのか?

  • 肩掛け式エンジン刈払機による機械除草が主に使われていました。

③ 公共工事のどこに適用できるのか?

  • 道路除草工事
  • 堤防除草工事
  • 公園除草工事

④ どのような雑草に効果があるのか?

  • サーベルDFは選択性除草剤であり主に茎葉部から吸収され、広葉雑草、特にマメ科雑草や雑灌木に効果が高いです。
  • 法面保護に不必要な大型の広葉雑草や雑灌木を選択的に防除することにより、法面保護に有効なイネ科植物に植生を転換することが可能です。
  • ギンネムに対してはサーベルDFと他の除草剤を同時散布することにより、さらに効果の安定を図ることができます。
  • 日本芝・西洋芝の農薬登録を取得しています(農林水産省登録 第22529号)。

新しい技術に期待される効果は?(新技術活用のメリット)

・イタチハギ、クズ、ニセアカシア、ギンネム等の除草を肩掛け式エンジン刈払機からサーベルDFの動力噴霧器での散布に変えたことにより、以下の効果が確認出来ました。

  1. 動力噴霧器による薬剤散布除草は肩掛け式刈払機による除草より作業が容易となります。さらに、集草・搬出作業も削減されるので、作業人数の削減と作業時間が短縮され、経済性・施工性の向上と工程の短縮が図れます。
    改善例)経済性:71.36%向上 工程:85.56%短縮
  2. 肩掛け式刈払機除草による作業中の飛び石等の危険リスクがなくなることで、刈刃接触・振動障害による事故や障害のリスクがなくなり、安全性の向上が図れます。
  3. 従来は毎年の刈取りと再生(再生する高さは数メートルに及ぶ)を繰り返していた大型の広葉雑草や雑灌木が減り、法面保護に有効な大型化しないイネ科植生が主流になります。
  4. カメムシ(クズ、マメ科に発生)や毛虫(ニセアカシア等に発生)などの不快害虫の宿主となるクズやニセアカシアなどの除去に効果があります。
  5. 歩道や道路への雑灌木の倒れこみ・大型倒木の回避・交通の視認性の確保・景観向上が図れ、周辺環境の向上が図れます。
  6. 新工法は初夏または秋から晩秋の施工が可能であり、また、薬剤を吸収した個体は根まで枯れるため、ほとんどが再生してきません。このため、気温の高い時期の作業が回避でき、作業環境の向上が図れます。

活用効果の根拠

基準とする面積:1000㎡
公園緑地の維持管理と積算(改定5版)参考、国土交通省土木工事積算基準(令和3年度版)引用

新技術 従来技術 向上の程度
経済性 22,281.23円 77,784.84円 71.36%
工程 0.13日 0.9日 85.56%

除草剤「サーベルDF」を用いた、つる植物「クズ」防除対策事例 除草剤「サーベルDF」を用いた、つる植物「クズ」防除対策事例(施工時) 施工時:2021年9月13日

除草剤「サーベルDF」を用いた、つる植物「クズ」防除対策事例(施工後) 施工後:2022年4月27日 翌年の再生は見られない。

施工方法

1.準備工

  1. 周辺作物や人家等の確認
  2. 施工面積の確認
  3. 施工個所の雑草の草種の確認
  4. 薬剤調合準備:面積当たりの薬量及び散布用の水を計量する
  5. 薬剤調合:計量した水を少し取り、サーベルDFを溶かす(一次撹拌)
    薬剤調合:計量した水を少し取り、サーベルDFを溶かす。(一次撹拌)
  6. 薬剤調合:水に溶かした薬剤を散布予定の水に投入し、よく撹拌する(二次撹拌)

※ 使用する水は井戸水や水道水などの奇麗な水であれば問題はありません。酸性やアルカリ性の強い水や透明度の低い水は、効果を低下する可能性があります。

2.本体工

  1. 動力噴霧器等を使用して雑草に均一に散布する
    ※ 茎葉部より吸収されて効果を発揮するので、散布ムラが無いように均一に散布する
    使用機材:動力噴霧器とタンク、ノズル
    使用機材:動力噴霧器とタンク、ノズル

3.後片付け工

  1. 使用した機材の水洗い
    ※ 洗浄水は、用水路や河川、池などに流入しないように注意する
  2. 動力噴霧器やタンク等の積み込み搬出

施工時の留意事項

① 設計時

  • 本剤はクズ、雑かん木の雑草生育期に有効なので、時期を失しないように散布してください。
  • 本剤はイネ科雑草に対して効果が劣るので、イネ科雑草優先圃場ではこれに有効な処理剤との組合せで使用してください。
  • 芝の生育が劣っている場合や、萌芽期及び生育初期の芝には生育抑制等の薬害を生じることがあるので散布を避けてください。
  • 散布液の飛散や流出・流入によって、周辺作物や水源地に影響を及ぼすので、散布(設計)場所には十分に注意してください。

② 施工時

  • パッケージに記載されている登録ラベルをよく読んでください。
  • 本剤を使用する場合には薬液が雑草茎葉部全体にかかるように散布してください。
  • 使用量に合わせて薬液を調製し、使い切ってください。
  • 降雨が予想される場合は、使用をさけてください。
  • 薬剤散布後は散布器具やホース内に薬液が残らないように十分に洗浄してください。
  • 散布器具、容器の洗浄水は河川等に流さず、環境に影響を与えないよう適切に処理してください。

③ 維持管理等

  • 本剤は直射日光をさけ、なるべく低温で乾燥した場所に密閉して保管してください。
  • 本剤は小児の手の届くところには置かないでください。

④ その他

  • 本剤の年間使用回数は2回以内です。

まとめ

今回は国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)登録された「サーベルDFを用いたイタチハギ、クズ、ニセアカシア、ギンネム等への防除工法」についてご紹介しました。やっかいな雑草の防除にお悩みの方は是非参考にしてください。

除草剤「サーベルDF」を用いた、雑灌木「ニセアカシア」防除対策事例
除草剤「サーベルDF」を用いた、雑灌木「ニセアカシア」防除対策事例(施工時)
施工時:2021年9月13日

除草剤「サーベルDF」を用いた、雑灌木「ニセアカシア」防除対策事例(施工後)
施工後:2022年4月27日 翌年の再生は見られない。

施行事例はこちら
除草剤「サーベルDF」による雑草「クズ」「セイタカアワダチソウ」防除・駆除対策事例

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