「冬至に食べると風邪をひかない」と言われるのが『かぼちゃ』。ビタミンAやカロチンが多く含まれ、冬場の野菜不足な時期に食すのは非常に理にかなっているのです。
平成24(2012)年度の国内の作付面積(17,800ha)、収穫量(227,100t)の約50%を占めるのが北海道です。中でも栽培が盛んな地域は、過去に冬場の気温で-41.2℃を記録したことのある上川郡和寒(わっさむ)町。今回はJA北ひびき和寒基幹支所の丹野係長と和寒南瓜部会の佐藤部会長に話を伺いました。
当地での取り組みについて、「昭和50(1975)年頃から栽培する農家が現れましたが、3年後でもまだ数軒で合計1ha程度の栽培面積でした。その後、冬至向けに出荷するようになり徐々に軒数・面積ともに増え始め、南瓜部会での栽培面積は平成3(1991)年は330ha、そして今年度は650haほどです。出荷量は昨年実績で6,278tでした。主な栽培品種は『えびす』『くり将軍』で、消費者の嗜好として甘くてホクホクした食感の品種が人気のようです」と丹野係長は説明してくださいました。
佐藤部会長は栽培について「6月初旬には種した苗を2週間後にほ場に定植、9月上旬頃から収穫を始めて一旦倉庫に保管してから10月頃より出荷を開始します」と話された後、「一番大変なのは収穫作業で、手作業で行わないといけないのが理由です」と栽培に関する苦労の一端を聞かせてくださいました。
「害虫についてはヨトウムシが大発生することもありますが、それほど困ってはいません。どちらかと言えばうどんこ病の防除が大変ですね。定植後50日辺りの7月下旬~8月初旬に薬剤散布を行いますが、散布作業に大きな労力がかかります。また近年つる枯れ病と思われる症状が発生し、こちらの対策にも頭を悩ませています」とは佐藤部会長の談。
丹野係長は「冬至まで出荷できるのが当産地の特長です。今後も部会と協力しながら頑張ります」と最後に意気込みを語られました。