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山形県村山地域の「食用菊」

山形県村山地域の「食用菊」

花は目で見て楽しむだけのものとは限りません。その味覚を楽しむことだって可能です。現在はエディブルフラワー(食用花)として様々な花が味わえますが、山形県では『食用菊』が江戸時代から食されているのです。

各家庭の庭先に植えたものを食用とする習慣が産地形成に繋がったようで、現在では山形県中央部の村山地域、特に山形・寒河江地区で盛んに栽培されています。

山形県農林水産部農業技術環境課の齋藤主査に話を伺うと「2012年の県内での作付面積は約27ha、収穫量は約250tです。生産品種は黄系の『寿』と紫系の『もってのほか』を中心に栽培しています。現在では多様な品種を生産することで周年出荷が可能ですが、さらに種類を増やして産地を活性化させるために県内の農業試験場でも新たな品種育成に取り組んでいます」。

主な病害虫は「病害は花腐れ病が問題です。また雨や水滴の影響で灰色かび病が発生しやすくなります。露地栽培の場合は簡易雨よけを行うなどの配慮が必要です。虫害はアザミウマ類と最近ではオオタバコガが問題ですね。収穫前の適正防除や交信攪乱剤の導入などを図るなどして対処しています」とのこと。

今後の方向性はとの問いに「軽くて作業しやすいので年配の方でも比較的容易に取り組めますし、基が小さい市場なので伸びる余地は大いにあると思います。山形県の伝統野菜全体で色分けしたシリーズ化を図るなど、様々な角度からのアプローチで販路拡大に励んでいます。新たに取り組む方にとって『魅力ある作物』でなければいけないですからね」と齋藤主査は話されていました。

春先は黄系が好まれるようですが秋口からは紫系の高貴な感じが喜ばれるそうで、まさに『目で楽しむ』ことも出来る作物はそう多くはありません。花弁の形のままお浸しで、また炊き込みご飯の具材として彩りを添えるなど、お腹も心も大いに満たされそうです。

(2013年5月掲載)

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