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北海道本別町の「あずき」

北海道本別町の「あずき」

和菓子に欠かせない餡子の原料であり、赤飯に入れればおめでたい席を飾る食事として喜ばれる『あずき』。過去には「赤いダイヤ」として小説の題材になったこともあるあずきは縄文時代の遺跡からも発見され、さらに「古事記」にもその名が記載されているという、古くから日本人に親しみのある豆の1つです。

北海道は平成22年産の全国の収穫量の9割弱を占め、国内でも群を抜いています。なかでも今回訪れた本別町は『日本一の豆のまち』をキャッチフレーズにするほど、あずきを始めとする豆類栽培の盛んな地域です。

JA本別町購買部生産資材課の笠原主査に話を伺うと「本地域での豆類の生産面積は1,940haで、そのうちあずきは884haを占めます。主たる品種はエリモショウズで5月に植付けを行い、8月初旬に開花後、9月初旬から収穫というのが一般的な栽培体系です。日照時間の長さ、寒暖の差が味に影響するようで、和菓子屋さんから『あずきは本別産』とご指名を受けることもあるようです」とのこと。

主な病害虫については「虫害はアブラムシやタネバエ、アズキノメイガ等が発生しますが、防除をきちんと行えば、それほど大きな問題にはなりません。むしろ灰色かび病、菌核病といった病害の方が問題で、8月頃の降雨後に気温が上がらない天候だと発生するので防除が重要になってきます」。

かつては『ニオ積み』という、刈り取った株を畑に積み上げて自然乾燥させる風景が秋の風物詩でしたが、機械化が進んだ今はあまり見られなくなったようです。「現在はピックアップ収穫といった機械化の進んだ収穫方法に移行して省力化につながっています。またコンバインを利用した方法も導入されつつあり、収穫作業の効率化は今後も進んでいくでしょう」とのこと。苦労が技術を発展させ、さらに飛躍していくという好循環を生み出すパワーが、本別町のあずき栽培には秘められていると感じさせられる晩夏の1日でした。

(2011年9月掲載)

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