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徳島県鳴門地域の「なると金時」

徳島県鳴門地域の「なると金時」

食卓を彩るおかずとしてはもちろんのこと、スイーツ好きな方にはデザートとして喜ばれているサツマイモ。今回紹介する『なると金時』とは吉野川河口、鳴門市を中心とする砂地畑で栽培されるサツマイモの総称です。

この地域は土壌が砂質のため、それまでは農業に不適と考えられていました。しかしそこにサツマイモを植えてみたところ、収量を上げることが出来たため、試行錯誤を繰り返した結果、現在の産地が形成されたとのこと。その甲斐あって、今では徳島県のブランド品目の筆頭に上げられるほどに成長しました。

特筆すべきは、その栽培方法や管理手法。4~5月頃に砂地畑に苗を植え付けた後、梅雨明け頃より最初の収穫が始まるのですが、『探り掘り』といって、砂の中に手を入れて実際の大きさを確かめながら掘り上げていくというもの。まさに熟練の技だそうです。また『手入れ砂』といって、3~5年ごとに栽培に適した砂を客土するとのこと。ミネラルをたっぷり含んだ砂の投入は、生育には欠かせない管理のようです。

病害虫について徳島県立農林水産総合技術支援センター農業研究所に話を伺ったところ、「病害については立枯病が一番の問題です。これについては畦立ての時期に土壌消毒を行なって対処しています。虫害についてはダニ、コナジラミ、ヨトウ類、コガネムシなど多岐に渡りますが、薬剤処理だけでなく雑草管理など圃場周辺の環境整備も行なって発生の抑制に努めています」とのこと。

今後の方向性については「手入れ砂の確保が困難になってきているので、代替素材の選定が重要課題です。これについては素材探索だけでなく、水分管理や肥培管理で対応する指針を提案中です。また更なるブランド化を目指して、立枯病に強い品種の改良や施肥体系の確立などを進めていきたいですね」と意気込んでいました。

最後にお勧めの食べ方を聞くと「やはり石焼芋です。甘くてホクホクの食感をぜひ味わって下さい」とのこと。思わずアツアツの焼芋を頬張りたくなる穏やかな春の1日でした。

(2008年5月掲載)

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