MBCニュース
全国の産地で栽培されている話題の作物をご紹介いたします。

MBCニュースとは
1986(昭和61)年1月、「丸和の動きや方針、技術情報など知らせてくれるニュースのようなものが欲しい」との要望に応え、広報部(当時)が担当して企業広報誌「MBCニュース」第一号を発刊致しました。経営方針や新製品情報、業界の動向などを中心に発行し、2004年9月発行(第70)号をもって、その機能を本ホームページに移行しました。
ここでは、当時より続く連載企画「話題の作物を訪ねて」を掲載し、全国の産地で栽培されている作物をご紹介させて頂きます。
徳島県鳴門地域の「なると金時」

食卓を彩るおかずとしてはもちろんのこと、スイーツ好きな方にはデザートとして喜ばれているサツマイモ。今回紹介する『なると金時』とは吉野川河口、鳴門市を中心とする砂地畑で栽培されるサツマイモの総称です。
この地域は土壌が砂質のため、それまでは農業に不適と考えられていました。しかしそこにサツマイモを植えてみたところ、収量を上げることが出来たため、試行錯誤を繰り返した結果、現在の産地が形成されたとのこと。その甲斐あって、今では徳島県のブランド品目の筆頭に上げられるほどに成長しました。
特筆すべきは、その栽培方法や管理手法。4~5月頃に砂地畑に苗を植え付けた後、梅雨明け頃より最初の収穫が始まるのですが、『探り掘り』といって、砂の中に手を入れて実際の大きさを確かめながら掘り上げていくというもの。まさに熟練の技だそうです。また『手入れ砂』といって、3~5年ごとに栽培に適した砂を客土するとのこと。ミネラルをたっぷり含んだ砂の投入は、生育には欠かせない管理のようです。
病害虫について徳島県立農林水産総合技術支援センター農業研究所に話を伺ったところ、「病害については立枯病が一番の問題です。これについては畦立ての時期に土壌消毒を行なって対処しています。虫害についてはダニ、コナジラミ、ヨトウ類、コガネムシなど多岐に渡りますが、薬剤処理だけでなく雑草管理など圃場周辺の環境整備も行なって発生の抑制に努めています」とのこと。
今後の方向性については「手入れ砂の確保が困難になってきているので、代替素材の選定が重要課題です。これについては素材探索だけでなく、水分管理や肥培管理で対応する指針を提案中です。また更なるブランド化を目指して、立枯病に強い品種の改良や施肥体系の確立などを進めていきたいですね」と意気込んでいました。
最後にお勧めの食べ方を聞くと「やはり石焼芋です。甘くてホクホクの食感をぜひ味わって下さい」とのこと。思わずアツアツの焼芋を頬張りたくなる穏やかな春の1日でした。
(2008年5月掲載)
- MBCニュース バックナンバー
- 愛知県知多半島の「ふき」
- 長野県塩尻市洗馬の「レタス」
- 広島県尾道市因島の「はっさく」
- 北海道十勝地域の「とうもろこし」
- 群馬県北毛地域の「枝豆」
- 宮城県石巻市の「河北セリ」
- 神奈川県三浦市の「だいこん」
- 大分県の「大分白ねぎ」
- 熊本県八代市の「晩白柚」
- 北海道浦臼町の「ワイン専用品種ぶどう」
- 愛媛県の「甘平(かんぺい)」
- 埼玉県本庄市の「ロマネスコ」
- 広島県尾道市の「広島わけぎ」
- 三重県長島地区の「三重なばな」
- 茨城県行方市の「チンゲンサイ」
- 北海道和寒町の「かぼちゃ」
- 熊本県熊本市の「すいか」
- 香川県坂出市の「金時にんじん」
- 千葉県白井市の「梨」
- 山形県村山地域の「食用菊」
- 千葉県柏市の「かぶ」
- 山口県の「はなっこりー」
- 栃木県小山地区の「ハトムギ」
- 静岡県浜松市の「エシャレット」
- 北海道本別町の「あずき」
- 宮崎県の「日向夏」
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- 長野県須坂市の「ナガノパープル」
- 高知県の「文旦」
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- 福岡県八女地域の「八女茶」
- 富山県の「チューリップ」
- 青森県田子町の「にんにく」
- 北海道十勝地域の「十勝川西長いも」
- 徳島県鳴門地域の「なると金時」
- 鹿児島県志布志市の「ピーマン」
- 愛知県西三河地域の「いちじく」
- 福島県田村地域の「エゴマ」
- 長野県中野市の「えのきたけ」
- 岡山県南部の「千両茄子」
- 沖縄県の「マンゴー」
- 栃木県上都賀地域の「ニラ」
- 福岡県八女地域の「キウイフルーツ」
- 高知県の「ショウガ」
- 静岡県遠州地域の「メロン」