さび病

病原菌：Puccinia zoysiae，Puccinia cynodontis
プクシニア・ゾイシア、プクシニア・シノドンティス

• 発生部位葉鞘、葉身
• 発病適温20～25℃
• 発生動向
  日本芝およびバミューダグラスに発生する病害である。日本芝では５月から６月ならびに10月から11月に多発する。特に、霧が発生するような天候下で大発生しやすい。
• 初発のでかたと被害
  葉や茎に黄色の斑点が生じる。感染が進むと葉の表面に夏胞子堆が形成される。
• 多発時の被害
  夏胞子堆が多数形成され、罹病葉が黄色から橙色を呈する。罹病葉上に形成される橙色の夏胞子がプレイヤーの衣服や靴に付着して汚れるため苦情がでる。さび病が多発しても芝草が枯死することはない。
• 診断のポイント
  罹病葉表面に黄色～橙色の夏胞子堆が形成される。
• 丸和バイオケミカル（株）の取扱薬剤
  チッパー乳剤

ティーグラウンド法面に発生したさび病

コウライシバに発生したさび病

コウライシバ葉上に形成された夏胞子堆

夏胞子堆

夏胞子

文・写真：
丸和バイオケミカル株式会社　開発本部　顧問
農学博士田中明美（たなかあけみ）

1963年生まれ
1985年に香川大学農学部を卒業後、香川大学大学院農学研究科、愛媛大学大学院連合農学研究科に進み、1993年2月に博士（農学）取得。
1993年4月より、香川大学名誉教授 谷利一博士のもとで緑地科学研究会 主任研究員として芝草病害に関する研究・調査に従事する。谷博士の逝去後は（有）緑地科学研究会を設立し、2018年5月まで代表取締役として活動した。
2018年6月より丸和バイオケミカル(株)開発本部 技術顧問として、芝草病害に関する研究および芝草殺菌剤の開発に関わっている。