カーメックス顆粒水和剤 水田畦畔での上手な使い方と使用上の注意事項

2023.01.18

水田畦畔の雑草管理では機械や除草剤が利用されています。除草剤には茎葉処理剤が使用されていますが、雑草の種子発芽を抑える土壌処理剤はこれまであまり使用されてきませんでした。今回、ご紹介するカーメックス顆粒水和剤は土壌処理兼茎葉処理剤で雑草発生前に土壌へ処理することにより30~60日間、一年生雑草の発生を抑える事ができます。また、雑草が発生した後でも草丈10㎝までであれば、除草剤用展着剤を加用することで一年生雑草を枯らす事ができます。

稲作経営規模が大きくなる中で、作業の集中化・一つの作業工程の長期化が問題となり、生産者の高齢化も進む中で労力軽減化は大きな課題となっています。長期残効性を備えたカーメックス顆粒水和剤は除草作業時間の軽減や夏場の草刈り作業の省略など生産者の省力化に貢献します。

※社内試験 場所:群馬県内 散布日:2014年6月17日 薬量:300g/10a 水量:100ℓ/10ℓ(単剤処理)

登録内容(水田畦畔部分のみ抜粋)

作物名 適用場所 適用雑草名 使用時期 使用量 本剤の使用回数 使用方法 DCMUを含む農薬の総使用回数
薬 量 希釈水量
水田作物
(水田畦畔)
水田畦畔 一年生雑草 雑草発生前 150~300g/10a 25~300L/10a 1回 全面土壌散布 1回
雑草発生始期~
発生揃期
70~100L/10a 雑草茎葉散布
又は
全面土壌散布

殺草スペクトラム

○:効果あり
△:効果に触れがある
×:効果不足~効果なし
-:未確認
一年生のイネ科雑草から広葉雑草まで
幅広い雑草に対して効果があります
雑草名 雑草発生前
土壌処理
雑草生育期処理
(雑草草丈15㎝以下)
単用処理
300g/10a
サーファクタントWK加用
300g/10a
一年生 イネ科 イヌビエ
エノコログサ
オヒシバ
スズメノカタビラ
スズメノテッポウ
メヒシバ △~○
キク科 オオアレチノギク
ノボロギク
ヒメジョオン ×
ヒメムカシヨモギ ×
ノゲシ(ハルノゲシ)
アブラナ科 イヌガラシ
ナズナ
スカシタゴボウ
ヒユ科 イヌビユ
シロザ
トウダイグサ科 エノキグサ △~○
コニシキソウ
ナデシコ科 ノミノフスマ
ハコベ
タデ科 イヌタデ
カヤツリグサ科 カヤツリグサ
オオバコ科 オオイヌノフグリ
スベリヒユ科 スベリヒユ
ツユクサ科 ツユクサ
アカネ科 ヤエムグラ
マメ科 カラスノエンドウ
アサ科 カナムグラ × ×
シソ科 ホトケノザ

《備考》一部のキク科雑草、イネ科雑草及び多年性雑草(登録適用外)には、効果が弱い傾向にあります

上手な使い方

散布のタイミング

カーメックス顆粒水和剤配布のタイミング

効果を最大限に引き出すには

・雑草発生前には…
土壌水分が適度にあると土壌処理効果が安定するので降雨後の散布が有効です。
・雑草発生揃期(草丈10cm以下)には…
単用処理の場合には除草剤用の展着剤(サーファクタントWKまたはサーファクタ ント30)を加えると茎葉処理効果が高まりします。
・雑草の種類や大きさによって
一部のキク科雑草、イネ科雑草、大きくなった雑草には効果が弱いのでその場合は 「茎葉処理剤」との同時処理が有効です。

 

カーメックス顆粒水和剤の使用例

水稲移植直後単用処理の例

カーメックス顆粒水和剤配布の水稲移植直後単用処理の例
雑草発生前~発生揃期(草丈10cm以下程度)の単用処理により長期間に渡り雑草の発生を抑制します

雑草発生初期における茎葉処理剤との同時処理の例

雑草発生初期における茎葉処理剤との同時処理の例
雑草の生育期や多年生雑草が混在してる場合には茎葉処理剤と同時処理が有効です。

薬液の作り方

カーメックス顆粒水和剤の薬剤の作り方
①バケツや計量カップに水を適量入れた後、カーメックス顆粒水和剤を投入し良くかき混ぜます。
②事前に散布器に半分ほど水を入れて置き、希釈されたカーメックス顆粒水和剤を投入します。
③バケツや計量カップに残液が残らないよう1~2回水を入れて溶かし、散布器に水がたまったらOKです。 散布面積100㎡に対し、散布器の水10Lに薬量30g(300gボトルの場合、キャップ2杯分)を投入し、処理してください。 ※散布時の雑草がすでに大きい場合は「茎葉処理除草剤」との同時処理をしてください。

除草剤散布時の注意事項

注意点①(薬害)

農作物(水稲)に接近して散布するので、散布液が飛散して農作物へかからないよう十分に注意してください。

カーメックス顆粒水和剤の使用時の注意点
※水稲への飛散防止のため、散布するときは必ずカバーをつけましょう。

注意点②(薬害)

塗り畦に使用する場合、畦塗り直後で畦が濡れているときは、水田に流入して薬害を生ずるおそれがあるので使用しないでください。

注意点③(薬害)

散布液が水田に流入するおそれがあるところでは使用しないこと。とくに透水性の大きな畦畔、砂質土では完全に除草すると、畦が崩れたり、散布液が水田に流入し、水稲に薬害を生ずるおそれがあるので使用しないでください。 ※降雨などの影響により、カーメックス顆粒水和剤の処理層を含んだ土壌が田面に流れ込むと、水稲に影響を及ぼす恐れがありますので、注意しましょう。

よくあるご質問と回答

Q1:畦畔に除草剤を使用すると畦が崩れて歩きにくいのですが、カーメックス顆粒水和剤を使用した場合、畦は崩れますか?
A1:根まで枯らさないので畦は崩れにくい状態が保てます。 ただし、浸透移行型の除草剤と同時処理すると根まで枯れる事により土壌内に隙間が発生し、畦が崩れるリスクが高まります。

参考:こんな使い方もできます

電柵下の除草  雑草が伸びて電気柵に触れると漏電が起こり、電気柵の機能が落ちてしまいます。
○電柵下の雑草を草刈で管理する場合
・・・限られたタイミング(雑草発生後から電柵に触れるまでの間)での作業が必要。
・・・電気柵を断線する可能性がある。
カーメックス顆粒水和剤を使用することにより雑草の発生を抑え、漏電するリスクを軽減し、害獣の侵入防止に貢献します。

最後に

 水田畦畔用除草剤カーメックス顆粒水和剤について、効果的な使い方やタイミング、注意点などを解説いたしました。深刻化する除草作業の負担の増加にお悩みの方は、省力的畦畔除草を実現するカーメックス顆粒水和剤を是非活用ください。

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