トロピカルフルーツの代名詞といってよいほど、最近は身近な果物になったマンゴー。生食用だけでなく、お菓子やドライフルーツといった加工品でも人気です。
原産国が東南アジアからインドといわれているマンゴーが沖縄県に入って来たのは今から約150年前の明治時代で、経済栽培として成り立つようになったのは昭和50年代後半頃の事だそうです。
県内の状況について沖縄県農林水産部園芸振興課果樹班の川満主任技師にお話を伺うと「平成15年の県内果樹の出荷金額47億円のうち、約17億円がマンゴーです。離島を含む県内全域で生産され、200ha強の面積で生産されています。主な生産品種はアーウィンで、いわゆる『アップルマンゴー』として有名です。出荷時期は無加温のものは7~8月、加温したハウスで収穫されたものは5~6月頃から市場に出回ります」とのこと。
病害虫については「一番の問題病害は炭そ病です。開花期の雨除け栽培が確立されたのも、炭そ病予防が大きな理由です。虫害についてはキジラミやキドクガ、ダニ類、スリップス類が問題です。いずれの病害虫も園地内の剪定枝等の残渣物処理や、こまめな通気を行うといった耕種的防除による対応が重要です」とのこと。また今後の課題としては「気象の影響で隔年結果になる傾向があります。目標は気象に影響されない栽培技術の確立で、県内の各農業研究センターで現在試験を重ねています。また低コストで建てられるハウスの普及が課題ですね」と話して下さいました。
南城市でマンゴー栽培に取り組んでいる生産者、安谷屋正邦さんの園地を見学すると、現在(4/20)は小指大~親指大の大きさでした。これからグングン大きくなり、収穫時には1玉350g程度と大人の手の平より少し大きいくらいにまで肥大するそうです。
沖縄産の完熟マンゴーを楽しむにはもう少し時間がかかります。例年より夏の訪れが少しだけ待ち遠しくなった沖縄訪問でした。