世界的に香辛野菜として有名なショウガ。原産地は熱帯アジアといわれていますが、日本への伝来ははっきりしていません。しかし「魏志倭人伝」にはその名前が既に記されているとのこと。今から1800年前には日本に伝わっていたかと思うと、それだけでロマンを感じてしまいます。
最近は中国産が多く輸入されていますが、国内産のショウガ販売量の約5割が高知県産です。明治元年に高知市で最初に作り始められ、現在では県内で約440haの作付面積を有します。高知の温暖な気候、日射量、降雨量がショウガ栽培には適しているというのも産地として成長した理由の1つだそうです。
県内の状況について高知県農業技術課営農支援室の高橋専門技術員に話を聞くと、「販売価格は中国産のほうが安いのですが、原産国表示が義務付けられてからは少々高くても国内産を購入する消費者が多くいらっしゃるので、現在は追い風傾向です。今までは大こぶのものをダンボールで出荷していたのですが、最近では使い切りサイズである小袋包装での出荷量が多くを占めています。また、様々なご要望にお応えするために、新ショウガ(ハウスショウガ)と露地ショウガを生産しています。」とのこと。
病害虫に関しては「病害に関しては、青枯れ病やいもち病が問題です。特にいもち病については抵抗性の問題もあるので、登録のある薬剤が増えることを望みます。虫害についてはハスモンヨトウやアワノメイガが問題で、黄色灯による忌避対策に取り組んでいますが、圃場内での光の当て方など解決しなければならない点が幾つかあります。」とのこと。
また課題として「重量野菜であるため、収穫後の運搬やトラックへの荷上げ作業は高齢の生産者には大きな負担です。その為、収穫期に若い雇用労力を確保するなど、省力化への努力を続けていきます。」と話して下さいました。
新ショウガが出回るこの季節、瑞々しい美味しさを味わいながら杯を重ねたいものです。