除草剤のお話①~雑草ってなーに?~

除草剤のお話① ~雑草ってなーに?~

2025.09.01

雑草ってなーに?

雑草とは「ここに生えててほしくないな」と人間が思う植物の事を指します。
例えば、きれいな花を育てている庭や、美味しい野菜を育てている畑の中に、いつの間にか知らない草が生えてくるこがあります。その「知らない草」が、育てている花や野菜の栄養を横取りしたり、日陰を作り生育を阻害すると「困った、これは雑草だ!」となります。
つまり、雑草かどうかは、その植物の種類で決まるのではなく、「生えている場所」と「人間にとって邪魔かどうか」で決まる事が多いです。

雑草かどうかの判断は人の主観によります‼

雑草かどうかの判断は人の主観によります!!「これは雑草?」

これは雑草?

雑草かどうかの判断は人の主観によります!!「これは?」

これは?

雑草かどうかの判断は人の主観によります!!「こうなると!!」

こうなると!!

雑草ってどこに生える?

雑草は、本当に色々な場所に生えてきます。まさに「どこでも生える!」というイメージがぴったりです。主な生える場所をいくつか挙げると、

  1. 庭や畑、田んぼ:これが一番想像しやすいかもしれません。野菜や花を育てているところに、知らないうちに生えてきて困らせます。
  2. 道路の隙間、アスファルトのひび割れ:「こんなところから!?」と思うような、わずかな土やホコリが溜まった場所でも生えてきます。
  3. 公園や空き地:管理されていない場所は、まさに雑草の楽園です。あっという間に草ぼうぼうになります。
  4. 家の周り、ブロック塀の根元:ちょっとした隙間や、日当たりがあまり良くない場所でも、種類によってはぐんぐん育ちます。
  5. ベランダや屋上:思わぬ場所ですが、風で運ばれてきた種が、雨水とホコリが溜まったところに落ちて発芽することがあります。特に水はけが悪い場所は要注意です。

雑草って何処に生える?

雑草の見分け方①

一年生雑草

芽が出てから枯れるまでの期間が1年以内の草花を一年草といい、雑草の場合は「一年生雑草」と呼びます。
「夏性一年生雑草」:春に発芽して夏から秋に開花し、冬に枯れる
「冬性一年生雑草」:秋に発芽して冬を越し、春に開花して夏に枯れる

ポイント:
寿命が短い:大体1年で終わり。
種の数がすごい:大量に種をつけるので、次の年もたくさん生えてくる。
成長が速い:あっという間に大きくなる。

メヒシバ

メヒシバ
夏の間にぐんぐん伸びて、道端に良く生えています

オナモミ

オナモミ
服にくっつくトゲトゲの種で有名ですね

オオアレチノギク

オオアレチノギク
道端、畑地、草地、空地など何処にでも生えます

雑草の見分け方②

多年性雑草

多年草とは、根が残って2年以上生存する草花を指し、雑草の場合は「多年性雑草」と呼びます。種だけでなく、地下茎や根でもどんどん増えていきます。
根がしっかり張っているので、抜いてもまた生えてくるしぶといタイプが多いです。

ポイント:
寿命が長い:何年も生き続ける。
根や地下茎で増える:抜いてもまた生えてきやすい。
駆除がちょっと大変:根までしっかり抜かないとまた生えてくる。

ドクダミ

ドクダミ
独特の臭いがあり、地下茎でどんどん広がります

シロツメクサ

クローバー
シロツメクサとも呼ばれ、這うように広がります

スギナ

スギナ
春先に土筆、胞子と根茎、塊茎で広がります

雑草の見分け方③

イネ科雑草と広葉雑草の違い

イネ科雑草と広葉雑草は、雑草を分類する上で非常に重要な区分です。
イネ科雑草:単子葉植物に分類され、イネやトウモロコシといった穀物と同じ仲間です。
広葉雑草:双子葉植物に分類され、葉が広く平らなのが特徴です。身の回り多くの草花がこの仲間です。

分類 イネ科雑草 主な広葉雑草
葉の形 細長く並行葉脈 広く網状葉脈
茎の特長 円筒形
茎の根元に近い部分に成長点
円形、四角形、三角など多様
茎の先端や葉の付け根の腋芽に成長点
根の特長 ひげ根(浅い)
地表近く広範囲
主根・側根(深い)
ほふく茎もあり
生え方 直立・群生型 這う・分岐型
主なイネ科雑草「エノコログサ」「ススキ」
主な広葉雑草「ツユクサ」「セイヨウタンポポ」

防除が難しい雑草

「難防除雑草(なんぼうじょざっそう)」とは、その名の通り、通常の雑草防除が困難で、農作物や景観に大きな被害をもたらす雑草のことを指します。

難防除雑草の特長

1.強い繁殖力・再生力

  • 多年性雑草:地下茎や根茎、球根などで越冬。地上部を刈り取っても、地下に生き残った部分から容易に再生します。
  • 豊富な種子生産:一度に大量の種子を生産し、それが土壌中に長期間休眠して存在するため、土壌中に莫大な種子バンクが形成されます。そのため土を耕すたびに新たな種子が発芽し続けます。
  • 種子の飛散能力が高い:風に乗って遠くまで飛散する種子、鳥などによって運ばれる種子など広範囲に分散する能力が高い雑草も難防除とされることがあります。
  • 茎や根の断片から再生:一部の雑草は茎の断片から容易に根を出して増える性質を持つため、機械での耕転が拡散を助長してしまう事があります。

2.生育速度が速い、または大型化する

  • 作物の生育を阻害するほどのスピードで成長したり、作物を覆い隠すほど大型になる雑草は物理的な除草が困難になります。

3.作物と生育形態が似ている

  • 特に水稲栽培では、雑草イネのように稲と見分けがつき難く、除草剤による防除が難しいケースがあります。

4.特定の除草剤への抵抗性

  • 同じ除草剤を繰り返し使用する事で、その除草剤が効かない雑草が生き残り増えていく現象です。これは特に農業分野で深刻な問題となっています。

難防除雑草の例

難防除雑草の例「クズ」「アサガオ類」「オオアレチノギク」「オヒシバ」

次回より雑草の防除について説明していきます。

よく見られている情報
カテゴリー
  • 農薬登録の変更情報をいち早くお届け!メルマガ登録
  • LINE友達登録でお役立ち情報配信中

お問い合わせ

雑草や害虫など一人ひとりのお悩みに合わせた解決策をご提案します。
まずはお気軽にご相談ください。