炭疽病

炭疽病

2023.09.08

病原菌:Colletotrichum graminicola(Colletotrichum cereale)
コレトトリカム・グラミニコーラ(コレトトリカム・セリアーレ)

炭疽病-発生消長

  • 発生部位葉鞘、葉身
  • 発病適温20~30℃
  • 発生動向
    3月から11月頃まで発生する。盛夏になっても病勢は衰えず、被害が甚大となりやすい。夏期はピシウム病や細菌性病害との複合感染になることも多い。また、乾燥ストレスを受けた芝草に本病が発生することもある。暖冬の年は2月頃から発生が見られる。ベントグラスの重要病害であるが、ライグラス、ブルーグラスにも発生する。ベントグリーン内のスズメノカタビラが発病、枯死し問題となることもある。
  • 初発のでかたと被害
    直径5~50㎝程度、円形または不定形のパッチで、色調は黄色、褐色、赤褐色と多様である。
  • 多発時の被害
    病勢が進むと、パッチが拡大融合して不定形となる。芝草は地際部から侵され、褐変し枯死に至る。パッチ内の芽数が減少し、裸地化する。
  • 診断のポイント
    褐変した罹病芝の葉身および葉鞘上に分生子層が形成されるので、ルーペあるいは顕微鏡観察により確認する。
  • 丸和バイオケミカル(株)の取扱薬剤
    エメラルドDG、タフキュアー水和剤、パッチバスター、ボンジョルノ乳剤、パッチコロン水和剤、丸和レキシコン、モノドクターフロアブル
炭疽病(黄色、円形パッチ)

黄色、円形パッチ

炭疽病(黄褐色、不定形パッチ)

黄褐色、不定形パッチ

炭疽病(褐色、楕円形パッチ)

褐色、楕円形パッチ

炭疽病(褐色、不定形パッチ)

褐色、不定形パッチ

炭疽病(外周部に灰紫色帯を持つ褐色、円形パッチ)

外周部に灰紫色帯を持つ褐色、円形パッチ

炭疽病(赤褐色、円形パッチ)

赤褐色、円形パッチ

炭疽病(リング状パッチ①)

リング状パッチ

炭疽病(リング状パッチ②)

リング状パッチ

炭疽病(褐色、小型パッチ)

褐色、小型パッチ

炭疽病(多発した褐色、小型パッチ)

多発した褐色、小型パッチ

炭疽病(罹病葉は褐変、枯死する①)

罹病葉は褐変、枯死する

炭疽病(罹病葉は褐変、枯死する②)

罹病葉は褐変、枯死する

炭疽病(芽数が減少し、雑草が生育している)

芽数が減少し、雑草が生育している

炭疽病(グリーン全体に発生した様子)

グリーン全体に発生した様子

炭疽病(褐変葉上に分生子層形成がみられる)

褐変葉上に分生子層形成がみられる

炭疽病(葉鞘上に付着器形成が見られる)

葉鞘上に付着器形成が見られる

文・写真:
丸和バイオケミカル株式会社 開発本部 顧問
農学博士田中明美(たなかあけみ)

1963年生まれ
1985年に香川大学農学部を卒業後、香川大学大学院農学研究科、愛媛大学大学院連合農学研究科に進み、1993年2月に博士(農学)取得。
1993年4月より、香川大学名誉教授 谷利一博士のもとで緑地科学研究会 主任研究員として芝草病害に関する研究・調査に従事する。谷博士の逝去後は(有)緑地科学研究会を設立し、2018年5月まで代表取締役として活動した。
2018年6月より丸和バイオケミカル(株)開発本部 技術顧問として、芝草病害に関する研究および芝草殺菌剤の開発に関わっている。

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