ハーモニーDF

麦畑における「ハーモニーDF」の効果的な使い方

2025.02.17

ハーモニーDFは麦のは種後から穂ばらみ期まで(小麦の場合)と幅広い時期で使用可能な茎葉処理型の除草剤です。
生育期のスズメノテッポウや多くの一年生広葉雑草に対し、優れた除草効果を発揮します。
ここではハーモニーDFの特徴や各種雑草へのスペクトラム、難防除雑草に対する効果などをご紹介いたします。

ハーモニーDFの適用と使用方法・作用特性

適用内容

ハーモニーDF適用表

発売開始から30年以上が経過し、生産者がより使いやすいように都度適用内容を拡大してきた結果、上記のような適用表となりました。使用時期ごとに判りやすくまとめたものが下記の表となります。

ハーモニーDF適用表(使用時期別)

特長

  • 使用量は10アール当たり10g以下と極めて低薬量で効果を発揮します。
  • 散布適期の幅にも余裕があるので他の作業との調整も容易です。
  • 雑草の発生程度を確かめてからの散布が可能なので、ムダがありません。
  • 気温や土質、土性による効果ブレもほとんどありません。

殺草特性

ハーモニーDFは、主として雑草の茎葉部から吸収され、雑草の細胞分裂を阻害することにより生育を停止させ、その後徐々に褐変あるいは黒変し枯死に至ります。効果の発現に7~14日、効果完成には1か月ほどかかります。ただし、一部の草種や生育の進んだ雑草は、生育を停止したまま枯死することなく、処理時の状態で長期間残草することがあります。
ハーモニーDFの散布から枯死まで
*ハーモニーDFの主な効果は茎葉からの吸収により発現しますが、有効成分がしばらくの間土壌に残存しますので、土壌処理効果も期待できます。

例)イヌタデに対する土壌処理効果確認試験

  • 試験場所:丸和バイオケミカル㈱阿見開発センター 温室ハウス内
  • 対象雑草:イヌタデ
  • 試験方法:プランターにイヌタデの種子を播き、直後にハーモニーDFを処理
  • 播種及び薬剤処理日:2011年10月4日
ハーモニーDFのイヌタデに対する土壌処理効果確認試験
プランター試験ではあるがイヌタデに対して高い土壌処理効果が見られた

各種雑草へのスペクトラム

雑草名 処理時の雑草生育ステージ
1~2葉期 3~4葉期 5~6葉期
科名 種名 5g/10a 10g/10a 5g/10a 10g/10a 5g/10a 10g/10a
イネ科 スズメノテッポウ
SU抵抗性スズメノテッポウ × × × ×
スズメノカタビラ × × × ×
カズノコグサ ○~● × △~○ × ×
タデ科 ギシギシ類(エゾノギシギシ)
イヌタデ
サナエタデ
ハルタデ
ママコノシリヌグイ
ミチヤナギ
キク科 イヌカミツレ
ノボロギク
ヒユ科 シロザ
ナデシコ科 ハコベ
ノミノフスマ
オランダミミナグサ
アカネ科 ヤエムグラ ○~● ○~● ×~△
アブラナ科 スカシタゴボウ
ナズナ
マメ科 カラスノエンドウ △~○ ○~● △~○ △~○
スズメノエンドウ △~○ ○~● △~○ △~○
キンポウゲ科 トゲミノキツネノボタン
イボミキンポウゲ
フウロ科 アメリカフウロ
シソ科 ホトケノザ
●:完全枯死
○:実用的な殺草効果だが完全枯死せず多少残草
△:執拗的な効果ではないが、生育抑制は認められる
×:効果なし
-:未確認

ハーモニーDFはスズメノテッポウ専用剤とのイメージが強い傾向がありますが、とても多くの広葉雑草に対して高い効果が期待できます。
特には種後に散布する土壌処理剤の効果が切れた後に発生するタデ科やヒユ科の雑草、近年になって麦圃場で目立ち始めたキンポウゲ科やフウロ科の雑草に対しても卓効です。

次回は難防除雑草に対するハーモニーDFの効果と上手な使い方について解説していきます。

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