紅色雪腐病(ラフに発生した紅色雪腐病(積雪地帯)①)

紅色雪腐病

2023.10.25

病原菌:Monographella nivalis
モノグラフェラ・ニバリス

紅色雪腐病-発生消長

  • 発生部位葉鞘、葉身
  • 発病適温
    積雪地帯:0℃付近
    非積雪地帯:15~20℃
  • 発生動向
    主にベントグラス、ブルーグラス、ライグラスターフに発生する。本病の発生には積雪(根雪になること)が必須条件ではなく、雪が積もらない(降らない)地域のターフにも発生する。発生消長の上段は積雪地帯、下段は非積雪地帯での発生消長である。非積雪地帯では秋期に播種(オーバーシード、インターシード含む)したターフでの発生が多い。
  • 初発のでかたと被害
    積雪地帯:融雪後に淡桃色~桃色、大小さまざまの円形または不定形のパッチが発生する。融雪後日数が経過してターフ表面が乾燥してくると、パッチの色調が白色化する。
    非積雪地帯:直径数㎝の円形パッチが発生する。パッチ周縁部は灰紫色または濃褐色、内部が淡褐色から赤褐色を呈する。
  • 多発時の被害
    積雪地帯:パッチが融合して大型不定形を呈する。
    非積雪地帯:パッチが拡大、融合する。秋期に播種した幼弱ターフでは、パッチ内の芝草が枯死し、裸地化する。
  • 診断のポイント
    積雪地帯:融雪直後のパッチは淡桃色から桃色を呈している。ターフ表面が乾燥すると白色から灰白色に変化する。罹病葉上に鎌形の胞子が形成されるので、顕微鏡観察により確認する。
    非積雪地帯:パッチは周縁部が灰紫色または濃褐色を呈することが多い。発生初期は直径数㎝の円形、小型パッチが多い。パッチ周縁部またはパッチ全体を抜き取ってポリ袋中に入れ、日陰または冷蔵庫中に2~3日置いておくと、白色から淡桃色の菌糸形成が観察される。
  • 丸和バイオケミカル(株)の取扱薬剤
    パッチバスター、丸和レキシコン
紅色雪腐病(ラフに発生した紅色雪腐病(積雪地帯)①)

ラフに発生した紅色雪腐病(積雪地帯)

紅色雪腐病(フェアウェイに多発した紅色雪腐病(積雪地帯))

フェアウェイに多発した紅色雪腐病(積雪地帯)

紅色雪腐病(不定形、大型パッチ(積雪地帯))

不定形、大型パッチ(積雪地帯)

紅色雪腐病(パッチは大小様々である(積雪地帯))

パッチは大小様々である(積雪地帯)

紅色雪腐病(フェアウェイに多発した小型パッチ(積雪地帯))

フェアウェイに多発した小型パッチ(積雪地帯)

紅色雪腐病(小型パッチ(積雪地帯))

小型パッチ(積雪地帯)

紅色雪腐病(融合した不定形、大型パッチ(積雪地帯))

融合した不定形、大型パッチ(積雪地帯)

紅色雪腐病(淡桃色のパッチ(積雪地帯))

淡桃色のパッチ(積雪地帯)

紅色雪腐病(不定形パッチ(積雪地帯))

不定形パッチ(積雪地帯)

紅色雪腐病(円形パッチ(積雪地帯))

円形パッチ(積雪地帯)

紅色雪腐病(ラフに発生した紅色雪腐病(積雪地帯)②)

ラフに発生した紅色雪腐病(積雪地帯)

紅色雪腐病(パッチ外周部が紫色を呈している(積雪地帯))

パッチ外周部が紫色を呈している(積雪地帯)

紅色雪腐病(ベントグラスターフに発生した紅色雪腐病(非積雪地帯))

ベントグラスターフに発生した紅色雪腐病(非積雪地帯)

紅色雪腐病(外周部が赤褐色のパッチ(非積雪地帯))

外周部が赤褐色のパッチ(非積雪地帯)

紅色雪腐病(発生初期の褐色、小型パッチ(非積雪地帯))

発生初期の褐色、小型パッチ(非積雪地帯)

紅色雪腐病(褐色、小型パッチ(非積雪地帯))

褐色、小型パッチ(非積雪地帯)

紅色雪腐病(外周部が褐色のパッチ(非積雪地帯)①)

外周部が褐色のパッチ(非積雪地帯)

紅色雪腐病(外周部が褐色のパッチ(非積雪地帯)②)

外周部が褐色のパッチ(非積雪地帯)

紅色雪腐病(子苗ターフに発生したパッチ(非積雪地帯)①)

子苗ターフに発生したパッチ(非積雪地帯)

紅色雪腐病(子苗ターフに発生したパッチ(非積雪地帯)②)

子苗ターフに発生したパッチ(非積雪地帯)

紅色雪腐病(パッチ部分と健全部との境界付近に形成された菌糸)

パッチ部分と健全部との境界付近に形成された菌糸

紅色雪腐病(小型パッチ上全体に形成された菌糸)

小型パッチ上全体に形成された菌糸

紅色雪腐病(罹病葉上の胞子塊と菌糸)

罹病葉上の胞子塊と菌糸

紅色雪腐病(鎌形の胞子)

鎌形の胞子

文・写真:
丸和バイオケミカル株式会社 開発本部 顧問
農学博士田中明美(たなかあけみ)

1963年生まれ
1985年に香川大学農学部を卒業後、香川大学大学院農学研究科、愛媛大学大学院連合農学研究科に進み、1993年2月に博士(農学)取得。
1993年4月より、香川大学名誉教授 谷利一博士のもとで緑地科学研究会 主任研究員として芝草病害に関する研究・調査に従事する。谷博士の逝去後は(有)緑地科学研究会を設立し、2018年5月まで代表取締役として活動した。
2018年6月より丸和バイオケミカル(株)開発本部 技術顧問として、芝草病害に関する研究および芝草殺菌剤の開発に関わっている。

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