葉枯細菌病

病原菌：Xanthomonas sp.
ザントモナス属菌

• 発生部位葉身
• 発病適温15～25℃
• 発生動向
  年間を通して発生する。秋期から春期の発生では芝芽が減少して裸地化することは少ない。夏期に発生すると罹病葉が枯死し、裸地化して問題となることもある。
• 初発のでかたと被害
  直径10～30㎝程度の円形または不定形、淡黄色から淡褐色のパッチを呈する。
• 多発時の被害
  パッチが多発してまだら状になり、美観上問題となる。
• 診断のポイント
  罹病葉が先端から白色から淡褐色を呈する。道管中に病原細菌が増殖して水分の移動を妨げるため、白色から淡褐色に変化した部分が萎凋症状を呈することもある。水浸状病斑はほとんど形成されない。
• 丸和バイオケミカル（株）の取扱薬剤
  グリーンドクターⅡ、モノドクターフロアブル

発生初期

病勢が進展しパッチが多発している

白色～乳白色のパッチ

白色のパッチ

罹病葉は先端から白色化している

罹病葉は萎凋症状を呈することもある

文・写真：
丸和バイオケミカル株式会社　開発本部　顧問
農学博士田中明美（たなかあけみ）

1963年生まれ
1985年に香川大学農学部を卒業後、香川大学大学院農学研究科、愛媛大学大学院連合農学研究科に進み、1993年2月に博士（農学）取得。
1993年4月より、香川大学名誉教授 谷利一博士のもとで緑地科学研究会 主任研究員として芝草病害に関する研究・調査に従事する。谷博士の逝去後は（有）緑地科学研究会を設立し、2018年5月まで代表取締役として活動した。
2018年6月より丸和バイオケミカル(株)開発本部 技術顧問として、芝草病害に関する研究および芝草殺菌剤の開発に関わっている。