病原菌:Waitea circinata var. circinata
ワイテア・キルキナータ・バラエティ・キルキナータ
- 発生部位葉身
- 発病適温20~30℃
- 発生動向
4月下旬から10月下旬までベントグリーンに発生する。盛夏にも病勢は衰えず、ブラウンパッチと混発することもある。ブラウンパッチの発生初期あるいは軽症と誤診しているケースもある。ブルーグラスやライグラスターフにも同様のパッチ症状が発生するようである。
- 初発のでかたと被害
直径20cm~1m程度、円形または不定形である。パッチ内部の芝草は健全で、外周部が黄色、黄褐色または褐色となるスモーキーリング状を呈する。
- 多発時の被害
罹病芝は地下部までは侵害されないため、多発しても被害は軽微で裸地化することはない。
- 診断のポイント
黄色、黄褐色または褐色のリング状を呈する。
黄褐色、不定形のパッチ
グリーンに多発したパッチ
黄色、円形パッチ
褐色、円形パッチ
黄色、楕円形パッチ
黄褐色、不定形パッチ
褐色、不定形パッチ
黄色、円形または不定形の大型パッチ
罹病葉上に菌糸形成が見られる
ブラウンパッチ(左)と褐色リング葉腐病(右)
文・写真:
丸和バイオケミカル株式会社 開発本部 顧問
農学博士田中明美(たなかあけみ)
1963年生まれ
1985年に香川大学農学部を卒業後、香川大学大学院農学研究科、愛媛大学大学院連合農学研究科に進み、1993年2月に博士(農学)取得。
1993年4月より、香川大学名誉教授 谷利一博士のもとで緑地科学研究会 主任研究員として芝草病害に関する研究・調査に従事する。谷博士の逝去後は(有)緑地科学研究会を設立し、2018年5月まで代表取締役として活動した。
2018年6月より丸和バイオケミカル(株)開発本部 技術顧問として、芝草病害に関する研究および芝草殺菌剤の開発に関わっている。