赤焼病

赤焼病

2023.09.08

病原菌:Pythium aphanidermatum
ピシウム・アファニデルマータム

赤焼病-発生消長

  • 発生部位根、葉鞘、葉身
  • 発病適温25~30℃
  • 発生動向
    1990年頃まではベントグラスの重要病害であり、盛夏になると、一夜にしてベントグリーン全面が赤褐色化すると恐れられていた。
    発生は風通しが悪く、水はけの悪いグリーンに多い。熱帯夜が続くような高温時に、まとまった降雨があると発生しやすい。7、8月の前線の停滞、豪雨、あるいは台風の後などは特に注意を要する。熱帯夜が続いても、降雨がない時には発生しない。本病の発生は気象条件により左右されるため、毎年発生するとは限らない。また、サンドグリーンの普及により発生は全国的に減少している。
  • 初発のでかたと被害
    熱帯夜が続く多湿な時期に、直径数㎝円形、褐色パッチが出現する。
  • 多発時の被害
    発生初期のパッチが急速に拡大し、数日間で直径数十㎝の大きさになる。パッチが多発すると融合して大型不定形となるため、突如広範囲に発病したようにみられている。
  • 診断のポイント
    グリーン上では早朝に、パッチ周縁部に灰紫色のスモーキーリングが観察される。また、感染葉上に空中菌糸が観察されることもある。
  • 丸和バイオケミカル(株)の取扱薬剤
    ザンプロターフ、ターフシャワー、プルーデンス水和剤、丸和レキシコン
赤焼病(発生初期のパッチ①)

発生初期のパッチ

赤焼病(発生初期のパッチ②)

発生初期のパッチ

赤焼病(パッチ外周部に灰紫色帯が形成されることが多い)

パッチ外周部に灰紫色帯が形成されることが多い

赤焼病(直線上にひろがったパッチ)

直線上にひろがったパッチ

赤焼病(罹病葉は褐変、枯死に至る①)

罹病葉は褐変、枯死に至る

赤焼病(罹病葉は褐変、枯死に至る②)

罹病葉は褐変、枯死に至る

赤焼病(パッチは拡大、融合して大型不定形となる)

パッチは拡大、融合して大型不定形となる

赤焼病(発生から数日で被害はグリーン全体に拡大する)

発生から数日で被害はグリーン全体に拡大する

文・写真:
丸和バイオケミカル株式会社 開発本部 顧問
農学博士田中明美(たなかあけみ)

1963年生まれ
1985年に香川大学農学部を卒業後、香川大学大学院農学研究科、愛媛大学大学院連合農学研究科に進み、1993年2月に博士(農学)取得。
1993年4月より、香川大学名誉教授 谷利一博士のもとで緑地科学研究会 主任研究員として芝草病害に関する研究・調査に従事する。谷博士の逝去後は(有)緑地科学研究会を設立し、2018年5月まで代表取締役として活動した。
2018年6月より丸和バイオケミカル(株)開発本部 技術顧問として、芝草病害に関する研究および芝草殺菌剤の開発に関わっている。

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