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広島県尾道市因島の「はっさく」

広島県尾道市因島の「はっさく」

瀬戸内海のほぼ中央に位置し、温暖な気候に恵まれた因島。『因島村上海賊の島』としても有名で、2016年4月には日本遺産に認定されるなど歴史と自然に囲まれた豊かな島です。今回取材した『はっさく』は、ここ因島発祥の果物。江戸末期の1860年に当地の住職である恵徳上人が寺の側で発見したといわれています。それから時を経て1886(明治19)年に“旧暦の八月の朔日(8月1日)”にちなんで『八朔』と名付けられたのだそうです。

現在の栽培状況についてJA広島果実連の後藤技師に話を伺うと「2017年においては普通はっさくが60ha、紅はっさくで45haの栽培面積で、生産量は合計して約2,000tでした。収穫作業は例年12月より始まり1月にピークを迎えます。一昨年の秋の日照不足が影響して昨年は収量が少し落ちましたが、今年の収穫量は前年比130%程度まで回復しそうです。また糖度も高い傾向で出荷が楽しみです」と笑顔です。

「1戸当たりの栽培面積は30aと大きくありませんが、かえって多くの手間をかけられることから良質な果実が出荷できるところが強みです。また栽培農家の平均年齢は73歳と高齢化が進んでおり、90歳で未だ現役という方もいます」と説明してくださいました。

主な病害虫は「病害は黒点病と炭疽病で、虫害はアザミウマに困っています。特に炭疽病は温暖化の影響か、防除時期が今までより長引いている傾向があります」とのこと。

「現在は紅はっさくのほうがジューシーで人気がありますが、普通はっさくのほうがおいしいという生産者の声も聞きます。そこで『普通はっさくの復興』を目指し、改めて市場での人気を勝ち取っていきたいです」と今後の展開について語ってくださいました。

取材後、帰路につく途中で『はっさく大福』を購入。果実の苦味と甘酸っぱさに餡の甘みが絡み合う絶妙な一品で、その味にすっかり魅了されてしまいました。

(2019年1月掲載)

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