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神奈川県三浦市の「だいこん」

神奈川県三浦市の「だいこん」

煮ても焼かないも良し、生でも干しても漬けても良しのマルチな野菜『だいこん』。役者はこう呼ばれると不人気でしょうが、様々な食べ方を楽しめるとあり、食卓では人気者です。

今回訪問した神奈川県三浦市は、年平均気温が15.5℃と温暖で、都市近郊では農業の盛んな地域でもあります。だいこんやキャベツ、スイカなどを上手に輪作して年3回の収穫期を迎えるなど、限られた農地を最大限に利用する効率的な農業がおこなわれています。

三浦市農業協同組合の出口営農部長に話を伺うと、「当地域では約700件の生産者で、栽培面積が約800ha、共販出荷は475万ケース(10kg/ケース)です。当地といえば『三浦大根』をイメージされる方も多いと思いますが、現在ではほとんどが『青首大根』です。1979(昭和54)年10月の台風で大きな被害を受けた際、撒き直しが間に合う品種として栽培されたのを契機に、市場のニーズなどもあって瞬く間に普及しました。現在の『三浦大根』の出荷量は全体の1%程です」とのこと。

「は種は8月中旬から10月20日頃まで行い、は種時期に応じて10月下旬から4月上旬まで収穫が続きますが、本格的な収穫時期11月中旬以降です。10a当たり2万粒は種して、最終的に1万本に調整するのが一般的な栽培方法です」と説明してくださいました。

三浦半島に位置し、三方を海に囲まれた地形では潮風が影響して病気の発生が少ない利点もあるようですが、「ほ場での生育期間が長く、病害が全く出ない訳ではありません。菌核病や黒斑細菌病が問題です。また虫害ではアザミウマやコナガの防除に苦慮していますが、発生初期の防除を徹底して問題が大きくなる前の対処を心掛けています」

担い手不足もあるようですが、出口部長は「後継者がやる気を出す仕組み作りを目指しています。若い人たちと話をし、仲間意識を高め、産地として一致団結していきたいですね」と力強くおっしゃられていました。

(2017年9月掲載)

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