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長野県須坂市の「ナガノパープル」

長野県須坂市の「ナガノパープル」

大粒の房がたわわに実るぶどう。「好きだけど、皮を剥いて種を出すのが面倒」と伸ばしかけた手を引っ込めた経験のある人に朗報です。『ナガノパープル』は、種無しで皮ごと食べられる新しい品種のぶどうなのですから。

長野県果樹試験場で平成2年に「巨峰」と「ロザリオビアンコ」を交配して誕生した『ナガノパープル』は、平成16年に品種登録され、現在は長野県内でしか栽培することが出来ない貴重なぶどうです。須坂市を管下に置くJA須高管内の栽培面積は約40haで県内の2/3の生産量を誇る一大産地。平成22年度は前年比3割増の160tの出荷を目指し、ナガノパープルのブランド化に力を注いでいます。

今回取材に訪れたのが8月のお盆明けで、9月初旬から出荷見込みのたくさんの果房が実る時期。同市内の松沢正敏さんの圃場で頭上にナガノパープルを見上げながら、JA須高営農生活部販売企画課の藤沢課長と野堀技術員に話を伺いました。「この地域は昔からぶどう栽培が盛んで、主に巨峰を栽培してきましたが、他産地と差別化できる品種の導入が大切との考えから取り組みが始まりました。登録が下りた平成16年より本格的に栽培を開始し、現在は300戸ほどの農家の方が生産されています」とのこと。

栽培管理の中での一番の問題が「裂果」。果皮が薄いため、実が肥大してくると皮が裂けてしまいやすいのだそうです。この点について「水分バランスが影響しているので、降雨や灌水管理には非常に神経を使います。平成20年度は特に発生が多く、農家の皆さんが大変苦労されました。現在は果樹試験場と協力し、同時進行で裂果対策に注力しているところです」と説明してくださいました。

「今はまだ管内のぶどう出荷量の大部分が巨峰ですが、将来的にはナガノパープルを初めとした多品種展開で、より産地を活性化していきたいですね」と先を見据えた取り組みに、大きな発展を予感せずにはいられません。

(2010年9月掲載)

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