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富山県の「チューリップ」

富山県の「チューリップ」

誰しも、子どもの頃には描いたことがある『チューリップ』。赤、白、黄、ピンクなど多様な色あいが私達を楽しませてくれます。現在、国内で流通している品種は約300種。それだけ種類の多い園芸作物は、他ではあまり見かけることはありません。

今回訪れた富山県は代表的なチューリップ球根産地。現在の栽培面積約110haで2,700万球余りを生産し、花壇植えまたは切り花生産用として北海道から九州まで国内各地に出荷されています。

ここ富山県で球根生産が盛んな理由について、富山県農林水産総合技術センター園芸研究所の浦嶋副主幹研究員に伺うと「冬季に積雪があること、春先の球根肥大期に十分な水と日照時間を確保できること、気候的には春先のアブラムシの飛来が遅いことなど、球根栽培に適した条件が揃っています。県としても力を入れており、1951(昭和26)年から新品種の育成に取り組み、現在まで28品種を世に送り出してきました。1品種を送り出すまで約20年と年数はかかりますが、産地として飛躍していくためには欠かせない重要な仕事だと考えています」。

主な病害虫について、富山県花卉球根農業協同組合の清都組合長は「病害としては球根腐敗病や、土壌伝染性病害の微斑モザイク病や条斑病が問題ですね。まだ完全に解決することは難しいですが、抵抗性品種の導入や新しいほ場での植付けなどで対策をしています。虫害ではウイルス病を媒介するアブラムシやチューリップサビダニが問題です。サビダニ防除対策としては、種球の選別と消毒で対応しています」と説明してくださいました。

現在、1,000株中3株にウィルス病が認められれば輸出禁止という基準を国内流通株にも広げて対応し、高い品質を維持しています。また整畦植込み機の導入による省力化も進んでおり、国内トップの産地としての輝きは、今後も決して褪せることはないでしょう。

(2009年5月掲載)

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