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静岡県遠州地域の「メロン」

静岡県遠州地域の「メロン」

贈答用果物の中でも王者の風格を漂わせるマスクメロン。その果実は味覚を楽しむだけでは終わりません。高血圧予防に効果があると言われているGABA(γ-アミノ酪酸の一種)の含有量が高く、カリウムが体内のナトリウム(塩の主成分)排泄に役立つ等、健康保持に必要な成分が多いのがこのメロンです。

今回訪れた静岡県遠州地域では、1917年頃に県西部で温室栽培が始められ、1925年にイギリスから導入された‘アールスフェボリット’という品種を、長い年月をかけて遠州地域の気候と日本人の好みに合うように品種改良してきました。美しい網目(ネット)と香りがあるのが特徴で、現在この品種を作っているのは世界中でも日本だけ、日本でも静岡県だけだそうです。

静岡県農業試験場の大須賀主任研究員は「網目がきれいなのは生育が良い証拠で、生育がよければもちろん味も良くなります。今では外観でどのような管理をしてきたのか大体検討がつくようになりました」と網目に関する意外な秘密を教えて下さいました。また「他の作物では生産に関する問題を品種の変更によって解消していくことが多いと思いますが、ここのメロンに関してはこの品種での品質維持に努めることを一番の目標とし、環境や栽培条件を変えることによって対応しています」と説明して下さいました。

病害虫に関しては「病害はうどんこ病とつる割れ病が問題ですが、耐病性が備わっていない品種なので、適期防除や接木などにて対応しています。虫害はスリップス類で、最近では耕種的防除も導入しています」とのこと。

「まず品種有りき」という姿勢の同地域のメロン栽培。「日射量が多いこの地の気象条件を生かした大規模化が可能な新しい形の温室の導入等、品質維持と生産性向上のための課題はたくさんあります。ですから研究熱心な生産者の方も多いので、そういう方の温室に行くとついつい話し込んじゃう機会が多いんですよね」と最後に笑って話されていました。
(2005年1月掲載)

 

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